日本語には、微妙に意味やニュアンスが異なる似た言葉が数多く存在します。
「精密」「綿密」「緻密」もその一例で、どれも細かく丁寧なことを表す言葉です。
一般的には文脈に応じて使い分けられますが、正確な意味を理解することで、さらに適切な表現ができるようになります。
この記事では、「精密」「綿密」「緻密」の意味や違い、具体的な使い方について詳しく解説します。
精密の意味・使い方
「精密」とは何か?
「精密」は、「非常に細部まで注意が行き届いていること」や「細かな部分まで正確に作られていること」を意味します。
丁寧に細部まで手を抜かず、正確さを追求するイメージです。
具体的な使い方
「精密」は、医療や技術分野でよく使われる言葉です。例えば、「精密検査」や「精密機械」などが代表的な例です。
例文
- 体を精密に検査した結果、ごく小さながんが発見された。
- この時計は、100年以上前のものとは思えないほど精密に作られている。
綿密の意味・使い方
「綿密」とは何か?
「綿密」は、「細部にわたって詳しいこと」や「細かい部分まで注意が行き届いていること」を意味します。
「精密」と似ていますが、正確さよりも「細かく丁寧に調べること」や「計画すること」に重点があります。
具体的な使い方
「綿密」は、計画や調査、打ち合わせなどに使われる言葉です。細部にわたって詳細に確認するシーンで用いられます。
例文
- 綿密な調査によって、事件が発生した部屋は完全な密室であったことが判明した。
- 海外からの要人を迎えるために、綿密な打ち合わせが実施された。
緻密の意味・使い方
「緻密」の意味とは?
「緻密」は、「細かい部分まで注意が行き届いており、ミスや手落ちがないこと」を意味します。
単に細かいだけでなく、抜け漏れや誤りがない完璧さが求められる点が特徴です。
「緻密」が使われる場面
「緻密」は、精度が高い計算や設計、または細部に至るまで完成度の高い作業に対して使われます。
例文
- 人工衛星の落下位置を正確に特定するため、緻密な計算が行われた。
- 緻密な回路設計によって、より高度で複雑な動作が可能になった。
精密・綿密・緻密の違いは?
「精密」の特徴と使い方
「精密」は、細かな部分まで手を抜かず、正確に作業や物を仕上げることを意味します。
対象となるのは、物や作業そのものです。
例:精密機械、精密検査
「綿密」の特徴と使い方
「綿密」は、細かな部分まで詳しく配慮が行き届いていることを指します。
人の行動や動作の結果(例:調査、計画、打ち合わせ)を対象に使われます。
例:綿密な調査、綿密な打ち合わせ
「緻密」の特徴と使い方
「緻密」は、細かな部分まで詳しく、なおかつ手落ちや誤りがないことを表します。
対象は人の行動結果や物(例:構造、回路、計算)にも使える点が特徴です。
例:緻密な計算、緻密な構造
3つの違いをまとめると?
- 精密: 物や作業に対して使い、正確さを強調する。
- 綿密: 人の行動や動作に使い、細かさや配慮を強調する。
- 緻密: 人の行動結果や物に使い、手落ちのない完成度の高さを強調する。
「~な計画」の使い分け
「綿密な計画」:細かな配慮や詳しさを強調する場合
「緻密な計画」:手落ちなく完璧に仕上げたことをアピールする場合
状況に合わせて使い分けると、より的確に意図を伝えられます。