2019年12月に毎年恒例の「流行語大賞」発表がありました。受賞したのは「ワンチーム」。ですが今年ほど「何その単語?」と聞き覚えがない人が多かったのではないでしょうか?ワンチームの意味についてまとめました。
ワンチームとは何?意味や定義についても
ONE TEAMはラグビー由来の特別な意味を持つ言葉
ONE TEAM(ワンチーム)
受賞者:ラグビー日本代表チーム
史上初のW杯8強入りを果たしたラグビー日本代表のスローガン
ワンチームという言葉自体は「1つの組織」といった直訳もできるのですが、流行語大賞をとったという意味での「ワンチーム」は別の意味・由来があります。
後述しますが、「ワンチーム」の意味を簡単に説明すると
「立場・人種など全てを超えて一つの目標に一丸となって向かっていくチーム」
といった意味になります。
「ワンチーム」はラグビー日本代表のスローガン
2019年は日本で初めてラグビーワールドカップが開催された年でもあり、日本代表が史上初のW杯ベスト8入りした記念すべき年でもありました。
そんなラグビー日本代表選手の特徴が「海外出身者が多いチーム」。日本人だけで構成されたチームではなく、半数は海外出身者(6カ国)でした。さまざまな立場・国を超えたメンバー同士がチームとして一丸となって戦うために掲げたスローガンが「ワンチーム」でした。
他のスポーツに比べて海外出身者が多い日本代表チームだったためにラグビーの世界を知らないごく一部の人たちからは「本当に日本代表といえるのか?」といった批判も上がっていました。
ワンチーム本来はラグビー南アフリカチーム由来だった
多国籍なラグビー日本代表がなぜ「ワンチーム」というスローガンを掲げたのか?実は「前例」があったからです。
1995年のラグビー南アフリカ大会で、南アフリカチームは初出場・初優勝!「ワンチーム、ワンカントリー」のスローガンの元、結果を出したということで国内だけでなく国外にも「ワンチーム、ワンカントリー」が脚光を浴びました。
またこの当時の背景には、南アメリカならではの事情がありました。アパルトヘイト(人種隔離)撤廃後の自国開催での、初出場・初勝利。
南アフリカは日本とは比べ物にならないくらい、民族・人種差別がある国ですが、日本代表チームに置かれた環境と似ている部分があります。縁起を担ぐ意味でも「ワンチーム」というスローガンに共鳴し、ラグビー日本代表チームは選んだのでは?と考えられます。
なぜワンチームが流行語大賞になったのか考察
流行語が見当たらなかった?
「なんかわからないけど今年はこの言葉流行ったな〜」という印象ある言葉が2019年はなかったように思います。
言葉の流行ではなく世間の流行を優先させた?
そのために、言葉の流行ではなく世間の流行にちなんだ言葉=「流行語」としたのではないかな?と考えられます。
2019年の国民的話題となれば
- 令和元年
- ラグビーW杯
をすぐに思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
令和元年関連を、エンタメ要素が高い「流行語大賞」にするのはあまりにも失礼すぎるので、
ラグビーワールドカップ関連から…→でも流行になるような言葉あったっけ?→日本代表を象徴するスローガン「ワンチーム」にしよう
という経緯があったんじゃないかな…と考えられます。
まとめ:ワンチームと流行語大賞の世間一般の意味・認識が離れている
世間一般の人からすると流行語は「なんかわからないけど今年はこの言葉よく使ったなあ…聞いたよね…」というものとして捉えているところがあります。
なので「ワンチーム」はそんなに聞かなかったし口にしなかったしバラエティ番組とかで芸人がパロディしたわけでもないのに…といった思いが強くなりますよね。
受賞者や由来を知ってようやく「ああ、ラグビーワールドカップがあったからか」と分かる程度で納得まではいかないのではないでしょうか。
流行語大賞を決める側としては、話題性重視なところがあるのですが、今年に限っては世間一般の人が感じるような流行語がなかったために「話題性重視」のみに特化したイメージがあります。