「業種」と「職種」は、仕事探しやキャリアアップを考える際に頻繁に目にする用語です。
多くの面接で、「これまでどの業種や職種で働いた経験がありますか?」という質問を受けることがあります。
しかし、これら二つの言葉の違いをしっかりと把握していないと、面接で不適切な回答をしてしまうリスクがあります。
そこで、業種と職種の区別について、具体的な例を交えて説明します。
業種の基本解説とその一覧
業種とは何か
「業種」は事業のカテゴリーを指します。具体的には、異なる事業がどの業界に属しているかを示す区分です。
日本標準産業分類による業種の一覧
業種は様々に分類されますが、「日本標準産業分類 大分類」には次のような業種が含まれています。
- 農業、林業
- 漁業
- 鉱業、採石業、砂利採取業
- 建設業
- 製造業
- 電気・ガス・熱供給・水道業
- 情報通信業
- 運輸業、郵便業
- 卸売業・小売業
- 金融業・保険業
- 不動産業、物品賃貸業
- 学術研究、専門・技術サービス業
- 宿泊業、飲食サービス業
- 生活関連サービス業、娯楽業
- 教育、学習支援業
- 医療、福祉
- 複合サービス事業
- サービス業(他に分類されないもの)
- 公務(他に分類されるものを除く)
- 分類不能の産業
出典: ハローワークインターネットサービス「産業分類コード一覧(大分類)」
職種についての基本解説
職種の定義
「職種」とは、個々が具体的に従事する仕事の種類を指します。例えば、管理職、技術職、事務職などが職種の例です。
厚生労働省の職業分類による職種一覧
厚生労働省による職業分類では、以下の大分類で職種がリストアップされています:
- 管理的職業
- 専門的・技術的職業
- 事務的職業
- 販売の職業
- サービスの職業
- 保安の職業
- 農林漁業の職業
- 生産工程の職業
- 輸送・機械運転の職業
- 建設・採掘の職業
- 運搬・清掃・包装等の職業
出典: ハローワークインターネットサービス「厚生労働省編職業分類」
職種分類の詳細
一見すると職種の種類は少なく感じるかもしれませんが、この大分類の下には中分類が99種類も存在し、さらにその下に細分類が設けられています。
希望する職種が明確でない場合は、これらの中分類や細分類を詳しく調べることが役立ちます。
業種と職種の違いを理解しよう
業種とは
「業種」は、それぞれの事業が属する業界の種類を指します。例えば、建築業、製造業、サービス業などが「業種」に該当します。
職種とは
一方、「職種」は実際に従事する仕事の内容を指します。管理職、事務職、営業職といった具体的な役割が「職種」にあたります。
業種と職種の違いを正しく伝える方法
職歴などを説明する際には、「業種」または「職種」だけでは情報が不十分になることがあります。
正確に伝えるためには、「〇〇業の△△職」といった形で、業種と職種を組み合わせて表現するのが適切です。
例:
- 建築業の事務職
- 製造業の管理職
業種は職種よりも大きなくくり
業種は職種に比べて広い範囲を指します。そのため、職歴を問われた際には「業種+職種」の順番で答えることを意識しましょう。