多くの人が日常で使う「給料」と「給与」ですが、これらの用語には実は明確な差が存在します。一見同じように感じられるこれらの言葉の違いを正しく理解しましょう。
一般的に、「給料」とはもっとカジュアルな表現であり、対して「給与」はよりフォーマルな状況で使われることが多いです。しかし、この違いは単なる言葉のニュアンスだけではありません。
さらに、これらの言葉とよく混同される「手取り」と「報酬」との違いについても詳しく解説します。これにより、それぞれの用語がどのような文脈で使用されるべきかの理解を深めることができます。
「給料」という用語の意味と範囲
給料の定義
「給料」とは、労働者が受け取る「基本給」を指します。
これには、住宅手当や通勤手当、残業手当などの各種手当や、成果に基づく報奨金などは含まれません。
給料の支払い形態
月給制を採用している企業においては、毎月一定の日に支払われる固定額の報酬が「給料」とされます。
この給料は、労働に対する基本的な対価として定められ、変動的な報酬部分は別途計算されます。
「給与」とは何か？その広範な意味と内容
給与の定義
「給与」とは、雇用主が労働者に対して労働の対価として支払う全ての金銭的なものを指します。
これには基本給の他、各種手当、報奨金、ボーナスなどが含まれます。
給与の内容と範囲
給与の範囲は非常に広く、現金だけでなく、その他の経済的利益も含まれます。
例えば、自社製品の割引購入や社員旅行の費用負担も給与の一部として扱われることがあります。これらは「現物給与」として認識され、給与全体の一部を形成します。
給与としての経済的利益
したがって、給与とは「雇用主から労働者へ提供される経済的利益全般」と考えることができます。
この広範な定義により、給与は単なる給料以上の意味を持ちます。
「給料」と「給与」の違いとその理解
給料とは？
「給料」は労働者に支払われる「基本給」を指します。
これは、月給制の企業において毎月同じ額が支払われる基本的な報酬のことをさします。基本給として、一定の労働に対する固定的な対価です。
給与とは？
一方で「給与」はより広範な概念を持ち、会社から労働者に支給される経済的利益全般を指します。
これには基本給だけでなく、残業手当、ボーナス、その他の各種手当なども含まれ、そのため支払額は毎月異なることがあります。
給料と給与の関係
このように、「給料」は「給与」の一部と考えることができます
。就職や転職を考える際には、ボーナスや手当なども含めた総合的な「給与」を評価する一方で、安定した生活を考える上で「給料」すなわち基本給の額も重要です。
「給料」「給与」、そして「手取り」「報酬」の違い
手取りの意味と使い方
「手取り」とは、給与から所得税や社会保険料などが差し引かれた後の実際に受け取る金額を指します。
場合によっては、労働組合費や退職金積立金なども控除されることがあります。
報酬の意味と範囲
一方、「報酬」は労働者やフリーランスなど雇用主と労働者間の労働対価全般を含む用語です。
報酬は給与と同義で使われることが多いですが、労働関係のない人々に対する支払いをも含めるため、その範囲はより広いです。
給料、給与と手取り、報酬の関連性
これらの用語は互いに関連していますが、それぞれに独自の定義があります。
報酬は給与として労働者に提供されることもありますが、雇用関係のない者への支払いも包括します。
給料は基本的な給与の一部を形成し、手取りは給与を受け取った後の実際に持ち帰る額を指します。
