グループの連絡から外される、誘いが自分だけ届かない……。そんな場面で耳にするのが「ハブられる」。若い世代を中心に広まったこの言葉には、仲間から意図的に外される・無視されるというニュアンスが込められています。
ここでは意味・語源・具体例・ビジネスでの言い換え・関連語・対処法まで、迷わないためのポイントをまとめました。
「ハブられる」「ハブる」の意味は?
基本の意味
ハブられる=仲間外れにされる/無視されるという意味の口語表現です。日常会話やSNSでのカジュアルなやりとりで使われます。
ハブる=仲間外れにする/無視するという意味の表現になります。会話では使われます。ただし軽く聞こえるため、配慮が必要です。ビジネスでは「除外する」「共有から外す」などの具体的表現が適切です。
「ハブられる」と「無視される」の違い
近い意味ですが、「ハブられる」は集団から意図的に外されるニュアンスが強め。「無視される」は個別の応答がない状態も含むより広い表現です。
言い方の背景と成り立ち
どこから来た表現?主な語源説
- 「省く(はぶく)」説:不要なものを取り除くの「省く」から派生し、仲間から外す意味へ拡張。
- 「村八分」短縮説:共同体からの排除を表す「村八分」が短く口語化したとする見方。
- 「放る/葬る」説:「手放す」「関係を終わらせる」ニュアンスが重なって生まれたとする説。
いずれも「輪から外す/外される」という共通のイメージが核になっています。
形の特徴(受け身が主流)
動詞形の「ハブる(=除外する)」よりも、「ハブられる(=除外される)」という受け身がよく使われます。被害の実感や疎外感を表しやすいため、日常での使用頻度が高くなりました。
拡散した背景(社会的文脈)
スマホとSNSの普及で、既読・未読やグループ機能による「見える排除」が増えました。誘いの共有範囲やオンラインの写真・予定表などが可視化された結果、「外された実感」を言い表す言葉として「ハブられる」が定着したと考えられます。
主に10〜30代で浸透しましたが、SNS文化の広がりとともに幅広い世代へ認知が拡大しています。
ハブられたときの対処法は?
- 事実確認:意図的なのか、単なる連絡漏れなのかを落ち着いて確認。
- 一次対応:感情的にならず、「情報共有先に自分を追加できるか」など具体的に依頼。
- 相談:信頼できる人・上長・教員など第三者に状況を共有。
- 選択肢の確保:新しいコミュニティや居場所を並行して作る。
- 距離の調整:消耗が続く場合は関わり方を見直す。
使い方と例文
- 「グループチャットで話が進んでるのに、自分だけ知らされてなくてハブられた気がした」
- 「同じ部署のランチ会に自分だけ誘われていなかったと知って、ちょっとショックだった」
- 「友達がSNSに集合写真をアップしていて、自分だけいなくてハブられたと感じた」
- 「イベントの準備メンバー一覧に自分の名前がなくてハブられたのかと思った」
注意したい使い分け
使うときのマナーと配慮
「ハブられる」は時にいじめ・排除を連想させるセンシティブな語です。冗談で使って相手を傷つけないよう、文脈と関係性を見極めましょう。
自分の状況を伝える際は、事実ベースで具体的に説明すると誤解を減らせます(例:「打ち合わせの共有先に自分のアドレスが含まれていませんでした」)。
ビジネスでは使えない表現
フォーマルな場では避けましょう。「情報共有から漏れている」「連絡網に含まれていない」「孤立している」などに言い換えると誤解や感情的対立を避けられます。
カジュアル/フォーマルでの表現の違い
- カジュアル:「最近ちょっとグループから外されてる気がする」
- 職場での口頭説明:「チーム内でうまく連携が取れていないようです」「情報共有の対象から外れていました」
- ビジネスメール・報告書:「会議メンバーに含まれていませんでした」「連絡リストから除外されていました」
フォーマルなシーンでは、「ハブられる」よりも客観的で具体的な言葉に置き換えることが重要です。感情的な響きを避け、事実を淡々と伝える表現を選ぶと、誤解や不快感を与えずに済みます。
関連語・近い表現
- シカトされる:直接的に無視されることを強調。
- 仲間外れ:一般的・説明的で幅広く使える言い方。
- 干される:芸能・職場などで意図的に機会を与えられない状況。
- スルーされる:SNS/メッセージで返信が来ないニュアンス。
- 村八分:共同体から組織的に排除される伝統的な言い方。
まとめ
- ハブられる=仲間から意図的に外される・無視されるというカジュアル表現。
- 語源は「省く」「村八分」など諸説。受け身形が日常でよく使われる。
- ビジネスや公的場面では適切な言い換え(除外・共有漏れ・孤立)を。
- SNSの可視化で「外された感」が見えやすくなり、定着した言葉。
- 対処は確認→具体的依頼→相談→選択肢の確保の順で冷静に。
言葉に振り回されず、状況を客観的に見つめ直すことが第一歩。必要な情報共有をお願いしつつ、自分が安心していられる関係性を大切にしていきましょう。