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「務める」「勤める」「努める」「勉める」の違いとは?意味と正しい使い分けを徹底解説

日本語には、同じ読みで意味の異なる漢字、いわゆる「同音異義語」が数多く存在します。
中でも「つとめる」は特に混乱しやすく、「務める」「勤める」「努める」「勉める」など複数の漢字表記があり、場面ごとに適切なものを選ぶ必要があります。

本記事では、それぞれの「つとめる」の意味、ニュアンス、使い分けのポイントを詳しく解説。ビジネス文書、日常会話、就職活動、公式な挨拶など、あらゆる場面で迷わず使えるようになります。

 

目次

「務める」──役割・任務を“果たす”という意味合い

「務める」は、与えられた役割や任務に取り組み、責任を果たすという意味を持つ言葉です。
会社や団体、国家など、ある種の「公的な役割」を引き受けて実行する場面でよく用いられます。

  • 例:私は5年間、広報部の部長を務めました。
  • 例:彼女は卒業式で代表挨拶を務めた。

「責任を全うする」という意味合いが強く、役目の遂行に焦点があるのが特徴です。役職名や演目との相性がよく、「社長を務める」「主役を務める」などで使われます。

 

「勤める」──仕事・奉仕・勤務を“する”という意味合い

「勤める」は、ある場所・組織で働くことを意味します。いわゆる「会社勤め」「公務員として勤める」など、仕事や勤務に関する言葉です。

  • 例:彼は大手企業に10年以上勤めている。
  • 例:春から税務署に勤めることになった。

また、宗教的な修行や儀式にも使われることがあります(例:「朝のお勤め」「法要を勤める」)。
さらに俗語的に「刑務所で服役する」意味もあり、「お勤めご苦労さま」といった言い方でも使われます。

 

「努める」──努力・工夫・継続的な努力にフォーカス

「努める」は、目的に向かって意識的に努力することを指します。行動・習慣・態度の中で「よくしよう」と自分から心がけることに用いられます。

  • 例:笑顔を絶やさぬよう努めている。
  • 例:問題解決に向けて、全力を尽くすよう努めます。

「自分の内面から湧き上がる意思」によって努力していることが前提であり、外部から命令されてやっているわけではありません。能動性が鍵となります。

 

「勉める」──古典的・文学的表現で、現代ではほぼ使われない

「勉める」は、「努力する」「励む」という意味を持つ言葉で、基本的には「努める」と同義ですが、常用漢字表に含まれていないため、現代の実用文書ではほとんど使われません。

  • 例(文語調):学の道に日々勉める者なり。

一部の古文・漢文・詩的表現で見かける程度であり、ビジネスや日常会話で使用すると誤字や変換ミスと誤解される恐れがあります。
意図的に使う場合を除き、「努める」に置き換えるのが無難です。

 

4つの「つとめる」の違いを一覧で比較

表記 意味 主な用途 使用頻度
務める 役割や任務を果たす 役職・司会・公的行為 高い(ビジネス・公的文脈)
勤める 働く・勤務する 会社・公務・宗教・服役 非常に高い(一般的)
努める 努力する・心がける 目標・姿勢・習慣 高い(意識的な行動)
勉める 努めると同義、古語的 文語・古典・詩文 非常に低い(ほぼ不使用)

よくある混同に注意

似た文脈で意味が違うと混乱しやすい場面もあります。以下のような例に注意しましょう:

  • 誤:「部長に勤めることになりました。」
    正:「部長を務めることになりました。」(役割)
  • 誤:「お客様満足のために、努めています。」
    正:「お客様満足のために努めています。」(これはOK)
  • 誤:「朝のお務めが終わってから…」
    正:「朝のお勤めが終わってから…」(宗教行事)

 

まとめ:状況に応じた「つとめる」の使い分けを

「務める」は任務や役割を果たすときに、「勤める」は働く場所や組織に所属しているときに、「努める」は意識的な努力や心がけを示すときに使います。そして「勉める」は原則的に現代文では避ける表現です。

どの「つとめる」も日本語として美しい響きを持ちますが、使いどころを間違えると意味が通じなかったり、知識不足と思われてしまうことも。この記事を参考に、文脈に応じて適切な漢字を選べるようになりましょう。

 

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