「くだり」の意味とは?日常とお笑いで少し違う
「くだり」は、会話や文章、物語、番組などの流れの中で、ひとまとまりになっている部分を指す言葉です。
ざっくり言うと、「このあたりの流れ」「この部分」「この一連のやり取り」といった意味で使われます。
日常会話での「くだり」
日常では、「説明の流れ」や「話の一部分」を表すことが多いです。
たとえば「さっきのくだり、もう一回説明して」と言えば、「さっきの話の部分をもう一度」という意味になります。
お笑い用語での「くだり」
お笑いの現場での「くだり」は、単なる「話の一部」ではなく、笑いのために意図して設計された“流れ”を指すことが多いです。
ネタやトークの中で、ボケ・ツッコミ・展開・反復などがセットになった「笑いが生まれる一連の型」を「このくだり」と呼びます。
「くだり」の由来は?もともとは「下る」という感覚
「くだり」は、もともと「下る(くだる)」という言葉に関係があります。
古くから日本語には、物事が上から下へ流れるように“進んでいく”感覚を表す表現があり、話や文章の「流れ」にも同じ感覚が当てはめられてきました。
そのため「くだり」は、「話が下っていく=展開していく中の一部分」という意味合いで定着していったと考えられます。
お笑いで「くだり」が重要な理由
お笑いにおいて笑いは、単発の面白い言葉だけで成立するとは限りません。
むしろ、前振り(状況づくり)→ズレ(ボケ)→回収(ツッコミ)→反復(畳みかけ)といった「流れ」で笑いが大きくなります。
この“流れのまとまり”が、まさに「くだり」です。
前振りとセットで成立する
「くだり」は、前振りがあるからこそ成立します。
いきなりオチだけを言っても笑いが起きにくいのは、くだりの「積み上げ」が抜けているからです。
反復すると笑いが増える
同じ型を繰り返すと、観客は次に何が来るかを予測し始めます。
その予測をズラしたり、さらに上回ったりすることで笑いが増幅します。
この反復による盛り上げも、「くだり」の代表的な機能です。
「くだり」の具体例
例1:同じツッコミを繰り返すくだり
登場人物が何度も同じ言い間違いをし、ツッコミが同じ言葉で訂正し続ける。
この場合、「言い間違い→訂正」のセットがひとつのくだりになります。
例2:キャラの癖を転がすくだり
「やたら丁寧」「すぐ否定する」「話が長い」など、キャラの癖を会話の中で何度も出していく。
癖が出るたびに周囲が反応し、だんだん大きな笑いに育てる流れが「くだり」です。
例3:同じ展開をあえて何回もやるくだり
「振る→やらない→振る→やらない→最後にやる」といった焦らしの構成も、くだりとしてよく使われます。
「くだり」と似た言葉の違い
「前振り」との違い
前振りは、笑いのための準備にあたる部分です。
くだりは、準備を含めて一連の流れとしてまとまった部分を指すことが多く、前振りより広い概念です。
「オチ」との違い
オチは、最後に回収して締めるポイントです。
くだりは、オチに至るまでの過程や流れそのものを含みます。
「フリ」との違い
フリは、あとで回収するための“仕込み”です。
くだりは、その仕込みが回収されるまでの一連の運びを指すため、フリよりも範囲が広くなります。
「くだり」を理解するとお笑いがもっと見やすくなる
「くだり」が分かると、ネタやトークの面白さを「流れ」として捉えられるようになります。
どこで仕込んで、どこで反復し、どこでズラし、どこで回収したのか。
この視点があると、お笑いは「偶然の面白さ」ではなく「設計された面白さ」として楽しめます。
まとめ:くだりは「笑いが生まれる流れのまとまり」
「くだり」は、会話や文章の中のひとまとまりの部分を指す言葉です。
お笑い用語としては特に、ボケやツッコミ、反復やズレなどが組み合わさった「笑いの流れ」そのものを意味します。
ネタを見ていて「このくだり好き」と言われるとき、それは“結論”ではなく“運び”が評価されている、ということでもあります。
