目次
「まずはありがとう」とは?
意味
SNSを中心に若い世代の間で広がっているフレーズが「まずはありがとう」。
一見ただの感謝に見えますが、相手の気持ちを受け止めたうえで本題(とくに断り)へつなぐ前置きとして機能するのがポイントです。
恋愛リアリティ番組やネタ動画で使われ、ミーム化したことで一気に認知が広がりました。
どういう場面で使う?
- 告白を受けた時に丁寧に断る:「まずは(告白してくれて)ありがとう。…でも今回はごめんね」
- お願いや依頼を断る:「まずは声をかけてくれてありがとう。…ただ、今回は難しそう」
- 謝罪への応答の前置き:「まずは謝ってくれてありがとう。…ただ、少し時間がほしい」
共通するのは、最初に感謝でクッションを置くこと。これにより、直接的な否定の印象を和らげられます。
SNSで“使われがち”なパターン
- 「まずはありがとう」→一拍置く→即オチ(ごめん)で笑いを取る
- ビジネス風パロディ:「まずはありがとう。しかし、KPIの整合性が…」
- 友情ネタ:「まずはありがとう。けど今夜は引きこもりたい」
「まずはありがとう」なぜバズった?背景と広がり
恋愛リアリティ番組での定番化
ABEMAの『今日、好きになりました。』などの告白シーンでは、
断る前に「まずは(気持ちを伝えてくれて)ありがとう」と置く流れがたびたび登場。
視聴者の間で“出たらフラグ”として認識され、フレーズ自体がネタ化しました。
コントやネットミームの相乗効果
お笑いコンビ・レインボーの「あいのり風」コント(2018年)でも、
感謝→逆接→お断りの型が笑いの文法として使われており、
この“構文”がSNSに適した短い台詞回しとして浸透。
TikTokやXでもパロディ動画が量産され、拡散に拍車がかかりました。
「まずはありがとう」構文を分解
基本の流れ(テンプレ)
- 感謝:「まずはありがとう」
- 逆接:「でも/ただ/とはいえ…」
- 本題(多くはお断り・保留):理由や状況説明→結論
シーン別・使い方例
| シチュエーション | 言い回し例 |
|---|---|
| 告白を断る | 「まずは告白してくれてありがとう。だけど、いまは気持ちに応えられないんだ」 |
| 依頼を断る | 「まずは声をかけてくれてありがとう。今回はスケジュール的に難しそう」 |
| 謝罪への応答 | 「まずは謝ってくれてありがとう。ただ、すぐに割り切れないから時間をください」 |
なぜ“刺さらずに断れる”のか
- ポライトネス(丁寧の戦略):最初に相手の努力・勇気を肯定し、心理的負担を軽減
- 情報の順序効果:否定情報の前に肯定を置くことで、受け取りやすくする
- 関係維持:断っても関係性を壊しにくい(とくに同級生・同僚間で有効)
「今日好き」的な“わかる人にはわかる”演出
告白シーンで「まずはありがとう」が出た途端、
“これは厳しいかも…”と視聴者が結果を予期してしまう――この“合図”感がミーム化の核心。
番組外でも「まずはありがとう=お断り前置き」という文脈が共有されました。
ビジネス・学校でも応用できる?使う時のコツ
- 具体的な感謝にする:「時間を割いてくれてありがとう」「提案を考えてくれてありがとう」
- 理由は簡潔に:長い言い訳は逆効果。事実→結論を短く。
- 代替案があれば添える:「代わりに来週なら」「別の形で関わりたい」
まとめ:なぜここまで流行したのか
- 型の分かりやすさ:三段構成(感謝→逆接→本題)で誰でも真似できる
- 汎用性:告白・依頼・謝罪など多用途に展開可能
- ミーム適性:短い台詞・結果の読めるオチで動画映え
「まずはありがとう」は、人間関係を壊さずに“ノー”を伝えるためのスイッチ。
礼を尽くしつつ線引きする――その使い勝手の良さが、日常とネットの両方で愛される理由です。
