ハラミ会とは何か
一文ずつ改行します。
「ハラミ会」とは、「ハラスメントを未然に防ぐ会」の略称です。
この言葉は、漫画 モトカレマニア(作者:瀧波ユカリ)の中で登場した架空の飲み会の設定に由来します。
具体的には、「飲み会でついうっかりセクハラをしてしまう可能性があるので、男性だけで集まろう」という趣旨の男性限定飲み会のこととして描かれています。
誕生の背景と語源
「ハラミ会」という言葉の語源は、「ハラスメントを未然に防ぐ(ために男だけで飲む)会」という意味の略語として生まれました。
漫画「モトカレマニア」の第1巻第2話で、主人公の会社の男性社員たちが「我々は一般女性とは飲まない。プロとだけ」という発言をしてこの「ハラミ会」という名を使うシーンがあります。
作者の瀧波ユカリ氏は、自身の経験した職場の“男性社員が女性飲み会に誘わなかったり距離を置いていたりした”というエピソードから着想を得たとされています。
ハラミ会の特徴
まず、参加者は男性限定で行われることを基本としています。
次に、飲み会の目的は「女性との席でセクハラなどのハラスメントを回避する」というものです。
また、名称の「ハラミ会」は“ハラ(ハラスメント)+ミ(未然)+会(会合)”という意味合いを込めて作られていると言われています。
なお、「ハラミ(肉の部位)」とは関係なく、ユーモアを交えたネタ的なネーミングでもあります。
なぜ話題になったのか
この言葉が話題になった背景には、2018年頃の #MeToo 運動やセクハラ・パワハラへの意識の高まりがあります。
メディアでは、「女性を参加させない飲み会=差別ではないか?」という議論が起きました。
また、SNS上でも「ハラミ会って男だけで飲む女子会的なものでは?」という意見や、「女性を省くのもまたハラスメントでは?」という反論が多数見られました。
賛成・支持の声とその理由
ハラミ会を支持する意見としては、「飲み会で無頓着に下ネタや馴れ馴れしい対応をしてしまうリスクを事前に減らせる」という合理的観点があります。
また、「女性の参加が少ない飲み会では、男性だけで気兼ねなく本音を話せる場になる」という声もあります。
こうした立場からは、ハラミ会が“ハラスメント予防の一策”と見なされていることがわかります。
批判・異論の声とその論点
しかしながら、ハラミ会には多くの批判も存在します。
主な批判点として「女性を排除するのは性差別そのものではないか」「職場での飲み会から女性を除くことで情報共有やネットワーク機会の損失につながる」という指摘があります。
さらに、「セクハラを避けるための手段として会を作るのではなく、そもそもハラスメントが起きない文化を育てるべきだ」という根本的な問題提起もなされています。
実際に流行っているのか?現実の状況
先に述べた通り、ハラミ会は漫画から出てきた架空の設定で、作者自身も「実際に流行っているわけではない」と明言しています。
ただし、ネット上では「このハラミ会的な考え方が現実の職場飲み会で男性だけで集まる動きにつながっているのではないか」という論点も上がっています。
つまり「全くの空想」というわけではなく、あくまで“ネタとして社会的反響を呼んだ概念”として捉えるのが適切です。
まとめ~ハラミ会をどう捉えるべきか~
「ハラミ会」は、ハラスメントを回避しようという発想からユーモラスかつ風刺的に生まれた言葉です。
その一方で、女性を排除するという点で性別・機会均等の観点から問題を含んでいます。
したがって、この言葉をただ流行語的に使うのではなく、背景にある「ハラスメント予防」や「職場の飲み会文化」「性別に関する感覚ギャップ」などのテーマも併せて考えることが大切です。
飲み会の在り方を考える上で、「誰と・何のために・どんな場で集まるか」を見つめ直すきっかけになればと思います。
