英語で「給料」や「給与」に関する言葉としてよく使われるのが paycheck(ペイチェック) と payroll(ペイロール) です。
どちらも「お金をもらうこと」に関係しますが、意味や使われ方には明確な違いがあります。
この記事では、両者の違いをわかりやすく解説し、実際のビジネスシーンでの使い分け方も紹介します。
paycheckの意味:個人が受け取る「給料明細・給与」
意味
paycheck は、「従業員が受け取る給与」そのものを指す言葉です。
もともとは「給料の小切手(check)」という意味ですが、現在では「支払われる給料」全体を表す言葉として使われています。
たとえば、アメリカでは銀行振込でも「I got my paycheck(給料をもらった)」という表現をよく耳にします。
paycheckの使い方の例
- He gets his paycheck every Friday.(彼は毎週金曜日に給料をもらう)
- My paycheck was higher this month.(今月の給料は多かった)
- I lost my paycheck!(給料の小切手をなくしてしまった!)
つまり、paycheck は「個人の給与」や「給料明細」「支払われる報酬」にフォーカスした言葉です。
payrollの意味:会社側が管理する「給与システム・給与台帳」
意味
一方の payroll は、企業や組織側の視点で使われる言葉です。
意味は「給与支払いの仕組み」や「社員の給与台帳」「給与総額」といった、管理や経理に関係する概念を表します。
つまり、従業員に支払う給料を「計算・管理・処理する仕組み」そのものを指すのです。
payrollの使い方の例
- The company has 200 employees on its payroll.(その会社の給与リストには200人の従業員がいる)
- Our payroll system is fully automated.(当社の給与管理システムは完全に自動化されている)
- Payroll is processed at the end of every month.(給与計算は毎月末に処理される)
つまり、payroll は「会社が支払う側」としての言葉であり、経理・人事の業務全体を指すことが多いです。
paycheckとpayrollの違いを簡単にまとめると
項目 | paycheck | payroll |
---|---|---|
意味 | 個人が受け取る「給料」や「給与明細」 | 企業の「給与管理」や「支払う仕組み」 |
使う立場 | 従業員・個人 | 企業・人事・経理 |
例文 | I got my paycheck.(給料をもらった) | The payroll department is busy.(給与課は忙しい) |
ビジネス英語での使い分けポイント
ビジネスシーンでは、「受け取る人」なら paycheck、「支払う人」なら payrollと覚えると便利です。
社員として話すときは「paycheck」、会社の経理や人事が話すときは「payroll」という使い分けになります。
補足:関連する表現
- salary: 月給・固定給(例:He earns a good salary.)
- wage: 時給・日給(例:The hourly wage is $15.)
- bonus: 賞与・ボーナス(例:I received a year-end bonus.)
これらの言葉と組み合わせて使うと、より自然で正確な英語表現になります。
まとめ
「paycheck」と「payroll」はどちらも「給料」に関係する言葉ですが、視点が異なります。
paycheck は「従業員がもらう給料」、payroll は「企業が管理する給与システム」。
英語で正しく使い分けることで、ビジネスの現場でも自然で正確なコミュニケーションが取れるようになります。