日本語には同じ読みでも意味や使い方が異なる言葉が多くあります。
その中でもよく混乱しがちなのが、「かく」という動詞です。
特に「文字や絵をかく」という文で使う場合、「書く」と「描く」のどちらの漢字が正しいのでしょうか?
今回はこの使い分けについて分かりやすく解説します。
目次
「文字や絵をかく」の『かく』は「書く」?「描く」?使い分けを解説
■「書く」は文字や記号に使う
「書く」という漢字は、文字・数字・記号などを表現するときに使います。
たとえば以下のような表現が該当します:
- ノートに文字を書く
- 手紙を書く
- 日記を書く
- 黒板に数字を書く
このように、「意味のある記号を視覚的に表す行為」が「書く」です。
■「描く」は絵や図を表現するときに使う
一方「描く」は、形・イメージ・ビジュアルを表現する行為に使います。
つまり、絵・図・模様・風景・心象などを描写する時に使用されます。
- 風景を描く
- 似顔絵を描く
- 夢を描く
- 未来図を描く
「絵をかく」と言いたい場合は、「描く」が正しい漢字となります。
では「文字や絵をかく」の場合は?
「文字や絵をかく」のように、2つの対象が並んでいる場合は、それぞれに対応する漢字を使うのが基本です。
したがって、文を正確に表すならば次のように書くのが理想です:
「文字を書き、絵を描く」
または短縮して:
「文字や絵を書く・描く」
ただし、一般的な日常会話や子ども向け表現では「ひらがなで“かく”」とすることも多く、
その場合は文脈から意味を読み取ることになります。
まとめ
- 「文字をかく」→「書く」が正しい
- 「絵をかく」→「描く」が正しい
- 両方を一緒に言う時は「書く・描く」や「書き、描く」と分けるのが自然
- 日常会話や子ども向け文ではひらがな「かく」で問題ない
日本語は文脈によって意味が変わる柔軟な言語です。
正しい漢字を使い分けることで、より正確で伝わりやすい表現ができるようになります。